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2歳の子がいます。教材を買ったほうがいいでしょうか。文字はいつから教えたらいいでしょうか。
友達の子はもう、英語教室に行っているので、おちこぼれないか心配です。
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中央教育審議会では学習指導要領に、小学校から英語を入れるなんて言い出していますから、お母さんの不安はもっともです。
でも、私は、今の学校教育の中身を事実上決めている、学習指導要領には大変な無理があると思っています。
2月11日の信濃毎日新聞の報道によると、長野県の学力調査で、5年生の小数の計算、(1・3+4)の答えを1・7と答えた子が、なんと44・2パーセントもいました。
これでは、誰が考えたって、子どもが悪いなんていえませんね。スピードが速すぎて、「なるほど」と胸に落ちるように教えるゆとりないのですね。
そうした間違った学校教育に振り回されて、乳幼児まで「早期教育」のとばっちりを受けています。お母さんのように、誰もが不安いっぱいなのです。
大事なのは、学んだことをバネに、次々興味関心をもち、「どうして?」「なんで?」との気持ちが育っていること、「そうなんだ!」「わかった!」という感動で、次へ進む力をつけること、そして、学んだ内容で、人間や自然に対して深い愛情を育てていくことではないでしょうか。
日本の教育は、国連の人権委員会から2回にわたって勧告を受けています。
「競争と管理の教育で、殆どの子どもたちが発達障害を起こしていることを懸念する」というものです。日本の教育は、何のために学ぶのかの目的がゆがんでいます。。
さて、そのようなバックを考えながら、年齢の力を考えます。
2歳児は、主観の世界、自我の育つ時でした。3歳児になると、やっと、他にも目が行くようになり、客観的世界を垣間見ますが、まだまだです。
かくれんぼをすると、自分が見えなければ、他人も解らないと思って、「ひよこのかくれんぼ」のように、しっぽうを出して隠れるわけですから。でも、「かくれんぼは鬼がさがす」とのルールはわかり始めているのですね。
4歳半を過ぎ5歳ごろになると、もっとしっかりルールがわかってきます。
2歳児のように、「あっちとこっち」、「はいといやだ」、「うえとした」といった二つの世界だけでなく、「あっちでもこっちでもない、そっち」や「はいといやだの間」と、黒でも白でもない、中間がわかってくるのです。
丸を描いてもらうと、だんだんに大きい丸から小さい丸にと、いくつも列を作ってくれますが、3歳児では、これはできません。
おしゃべりは巧みになって、「ぼく、がんばったけどだめだった。でも、またがんばる」との考え方、「・・・だけど・・・・」の思考ができ始めます。
融通のきく人間関係も解ってきます。
そして、おしゃべりしていたことばを使って、やっと、じっと黙って考える力が育ち始めるのです。だから、5歳児くらいになると、よく、独り言をぶつぶついってますよ。黙って考える練習をしている姿です。だまって考えるって、力がいるのですよ。
さて、この思考力(内言・・内なることばですね・・といいます)が出てきたころ、絵本の文字を見て「これ、あきこちゃんの あ だ!」とか、「この字、ぼくの名前の字だ!」と、お母さんに発見の感動を報告するようになります。
さあ、子どもは新しい跳躍を始めていますよ。抽象的な思考ができはじめてるのですね。
この段階が私は無理なく、生活経験をバックにして、文字に溶け込んで行く時だと思っています。
ことばや文字は、生活経験とその感動を背負っているものなのです。
目、耳、ことばの障害の三重苦を背負ったヘレン・ケラーが「水」ということばをはじめて知ったのは、サリバン先生が井戸水をじゃんじゃんかけて、ヘレンの手の平に「水」のつづりを書いたときでした。感動の映画のシーンを思い出します。
ヘレンは声を上げて「ウオーター!」と叫びます。ことばが生きたものとしてヘレンのものになりました。
だから、興味を持っても、「座りなさい、お勉強しましょう」ではなく、「そうだね。これはこう書くんだよ。」とか、「しりとりでことば探ししよう」とか「カルタをしよう」と、自然に興味を育てていくようにしたほうがいいのではと思います。
算数も、数字をかけることが大事なのではなく、「みかん2つもってきて」「お母さんの分とAちゃんの分持ってきて。二つだね。」と、数を量で実感することが大事な力になってきます。
りんごの1も、えんぴつの1も、ひとりの1も、みんな同じ「1」だってことを、しっかり経験すると、胸に落ちて理解できるのではないでしょうか。
私の子どもでは、少し昔なので、参考にならないかも知れませんが、3人の娘はそのとおりで、学校に入るまで意識的に文字を教えることはしませんでした。
本はよく読んであげましたね。保育園で、よく遊んでいただきました。
学校で文字を学び始めたら、次々、覚えてゆきました。3人のスピードはちょっと違いましたが。
お子さんはまだ、2歳、今は我を張っておかあさんを困らせ、わがまま言いいながらも、友達の中で仲間との交わる力を一杯育てたい時です。
そして、沢山、泥んこと太陽で遊ぶ意欲が、必ず学習力につながってゆきますから、今は心配しないで、充分遊ばせてくださいね。
そして、競争やスピードではなく、そのこの良さを発見する教育が実現するように、ご一緒にがんばりましょう。